フリーランスのWebデザイナーとして活躍する堤野さん。創業スクールの受講をきっかけに奈良に居場所を見つけ、人と出会い、求められていることに応えていくうちに自分が好きだと思えるものに出会いました。

核家族で共働きをしていて、二人とも大阪に通っていたので、子供が病気をした時に、どうにもこうにもならない時が何度かあって、負担が大きいと感じていました。ワークライフバランスについて考えた時に自分で事業をしたら解決するんじゃないかなと。独立して自分で事業ができたらいいなと漠然と思っていました。

どんな事業をやるかを考えた時に「自分は何がしたくないか」と消去法をしました。もともとパソコンは好きだったこともあり、プログラマーとしての経験もあり、もう少し深くプログラムを勉強したらパソコンとネットが繋がればどこででもできる仕事なので、プログラマーなら独立もできるんじゃないかとはずっと思っていました。

そんな時、たまたま娘の保育園で知合いになった株式会社Women’s Future Centerの栗本恭子さんから「創業スクールなら」を紹介されて行ってみようと思いました。    

スクールの受講を決めたものの、参加される他の方は具体的なプランを持って準備万端で参加する中で、自分が場違いなんじゃないかと不安になってきました。ところが、実際に行ってみると、自分と同じように漠然としている人も多くて、とっつきやすい安心感があり「自分がここにいていいんだな」と思いました。

自分の中で、世の中にデザイナーやプログラマーなんてたくさんいるし、自分よりすごい人がいっぱいいるのは、わかっていたので、「創業できるだろうか？多分できないだろう」と思い込んでいました。講師の石川聖子先生は、それを聞いて「Aが得意な人はいっぱいる。Bが得意な人はいっぱいいる。でもAとBができる人はいない。」と言ってくれました。自分は、音楽やデザイン、プログラムと、いろいろな仕事をやってきました。デザイン業界はデザインだけ、プログラマーはプログラムだけというのが当たり前の世界です。自分は、どちらも飛び抜けてすごいということではないけど、両方がそこそこできるという人は少ないので、石川先生の言葉で、自分にも創業できるんじゃないかと考えが変わりました。

奈良県商工会連合会の柏原さんは、休憩時間なのにいろいろと話を聞いていただく中で、凄い熱量を感じました。形だけスクールをやるのではなく、一人一人に親身になって接してくれるスクールなんだと感じました。

僕は、すごく革が好きで、革あそびHARUHINOの辻之所さんとスクールで出会って仲良くなったのは大きな財産です。いまでは、辻之所さんのネット関係のことをすべてやらせてもらっていて、いろいろな意味で販売にも力が入ります。  

創業スクールを卒業して1年後ぐらいに会社をやめて起業しました。不安は今でもあります。特お金が入ってくるかどうかが不安ですね。最初は、単発の仕事ばかりだったので、こんなことをいつまでも続けられないと思っていました。継続的に続けられる仕組を早く作らなければいけないという中で、辻之所さんのネット販売がようやく軌道にのってきました。

創業スクールでは、ビジネスパートナーを見つけさせていただきました。辻之所さんの作る製品を人の目に触れさせてとにかく売っていく。文章の書き方、写真の撮り方、見せ方をすごい勉強していて、経験値があがっているのを感じます。それを次の仕事に活かせるような形にしていきたいと思っています。

不思議な感じがするのは、創業スクールに通っていた時は、プログラマーとしてやっていこうと思っていたのが、卒業後に人からこんなことをしてほしいと言われることに応えてきた中で、デザイナー、マーケター、プロモーターなど違った形に変化しました。変わったけど自分の中では楽しいんです。もともとプログラムを書くのがすごく好きだったわけでなく、消去法でプログラマーなら仕事があるだろうと思っていたので、人から求められていることに応えているうちにようやく好きなものが見つかったという感じです。

しっかりとプランは練りつつ、経験からいくと、自分はこれだと決めつけなくてもいいんじゃないかな。ある程度のプランは持ちつつも、どうとでも変化していける柔軟性を持たせておく方がよいと感じます。

独り立ちすると勉強ばっかりです。自分は、ほぼ何の計画もなく会社を飛び出したので、行き当たりばったりでした。でも、なんとか今やってこれているのは、周りの人に助けられているからです。ありがたいですね。

あと、自分の商品の値段についてですが、絶対に安売りをしてはいけないですよ。最初は不安で、すごく安い金額で仕事を受けてしまいましたが、結局しんどいだけだったので、それはやってはいけないと伝えたいです（笑）。

創業スクールは楽しいですよ。自分は、大阪の人間なので、奈良には知り合いが一人もいませんでしたが、スクールがきっかけで仲間や友人ができました。今、人生が充実しています。