創業スクールで事業の核になるところをブラッシュアップし、「どんなパン屋としてやっていくのか」を改めて考える機会になったという妹尾さん。仕事を通して社会にどう貢献していくのか、お客様は何を求めているのかを考える機会となりました。

奈良市もちいどの商店街の夢CUBEというところで、夫婦で「パン屋 福笑」を営んでいます。

創業スクールに参加したのは、夫に「行ってこい」と言われたからです。

そのころ、夫婦でパン屋開業を目指し物件探しをしていました。夫が、物件探しに行き詰まり、たまたま見つけたパン屋さん、奈良町工房IIIにある「くりぱんクラブ」の栗野さんを訪ねた時に創業スクールを勧められたそうです。

無料体験講座に参加した夫は、すごくよかった！と帰ってきました。しかし、出席できない受講日があったことと、パンの製造以外の経理など、経営は私が担当することになっていたので、私に行くように勧めてきたのがスクールを受講したきっかけです。

スクールに参加する前のイメージは、お金の儲け方や事務的なビジネスっぽい話がメインになるのかなと思っていました。しかし実際には、事業の核になるところをブラッシュアップさせてもらい、「お客様に喜んでもらえるためにどうしたらいいのか」「パン屋としてどんな想いをもって、誰に、何をどうするのか」を改めて考える機会になりました。

スクール参加以前から自分達でもその核についてはずっと話し合ってきましたが、やはりそこが大事なのだと再確認でき、より一層深めることができました。

スクールの後半は、経理のことなど実践的なことを教えていただき、事業を行う上でのお金の計算をしました。正直、数字をみるのは怖かったのですが、現実を直視するという意味では、非常によい勉強になりました。

お店が始まるまでの記憶がほとんどないほど、家のこと、子どものこと、お店のことでバタバタしていて、ストレスを抱えながら走っていました。

お店の経営の大変さは、ある程度想定していましたが、自営の人の方が点数少なくて保育園入りにくく、2人の子供を別々の保育園に預けなければならなかったなど、事業以外に振り回されることが多く、それが大変でした。

うちは、自家製の天然酵母でパンを作っているのですが、酵母菌の不具合によりお店を閉めなければいけないことがありました。データを取るようにしていましたが、自然相手、生き物相手ではどうにもならないこともあり、商売の難しさを痛感しました。

「自然」と「商売をすること」については、自分達でバランスをどう取っていくか、どう納得していくかが、今後もずっと課題として続いていくのだと思います。

いろいろなご縁をいただき同期や卒業生に出会う機会がありますが、自分だけが儲かればいいという人は少ないと感じます。

自分たちの持っているスキルなどで誰かの役に立ちたい、社会に貢献したい人が多く、こんな人達とだったら一緒に仕事をしたいと思いました。

助けていただくことも沢山あり、良い縁に感謝しています。そんな方が集まる素敵なスクールに参加できてよかったと思っています。

お金儲けだけでなく、自分の好きなことを活かしたい、誰かの役に立てれたらという方、ぜひぜひ同志として一緒に頑張りましょう。

妹尾秀美さん

2016年 卒業

パン屋 福笑　店守

営業時間：10時~19時（定休日木曜）

毎週水曜日：タルティーヌの日＊通常のパンは製造していません

毎週金曜日：乳製品不使用の食パン生地製造の日

住所：奈良県奈良市餅飯殿町12　夢CUBE

TEL：080-3030-4400

URL：https://www.panya-fukuwarai.com/